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院長コラム

動物のプラセボ効果

「プラセボ効果」という言葉をご存知でしょうか?プラセボは一般的には「偽薬」などと訳されており、薬学的には効果のないはずの薬で、病気が実際に治ってしまうことを指します。

次のような人間における実験があります。


ある病気の患者たちをA、Bの二グループに分け、Aグループの患者には院長クラスの著名な医師が「この薬は最近開発された非常に効き目のある薬です」と話し、Bグループの患者には、見習いの看護師が「なんかよく分かんないんですけど、新しい薬がでたみたいなんで」と伝えました。そして処方したのはプラセボ(偽薬)です。すると、Aグループでは七割の人に効果があり、Bグループでは二割の人にしか効果がなかったという結果が得られました。この効果は、一般的に痛みのような自覚症状を中心とした病気に強く表れるといわれていることも併せて考えると、、いわゆる「病は気から」という言葉に象徴されるような、人間の病気における心身の強い相関関係が伺い知れます。


さて、このプラセボの効果、驚いたことに動物においても存在することが知られています。甘味剤に免疫抑制剤を混ぜたものをマウスに与えた結果、当然免疫抑制が起こりましたが、後にこの甘味剤のみを与えたところ同様の効果が得られたという実験があります。動物においては、その薬剤を施す者の風評や信頼度を判断できない、あるいは、薬を飲む行為を、病気に対して効果的な行為であると自ら認識しにくいと考えられ、ある意味条件反射的なものとも考えられます。


しかし、条件反射によるものとしても、身体の健康状態に、心の状態が強く相関することは大いに予想されます。ごく最近になるまで、現代獣医学は、主に動物の物理的な原因と、その結果のみに注目する傾向がありましたが、動物における心身の関連についても、強く関心を持たれるようになってきています。身近なところでは、飼っている動物が不幸にも病気になった場合、同じ薬を飲ませるにも、「早くよくなって欲しい」という愛情を込めることで、より効果的になる可能性を、プラセボ効果は指し示しているとも考えられます。

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