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院長コラム

猫にも伝染るんです…

犬のフィラリア予防がスタートするこの季節、時折「猫はフィラリアにかからないの?」という相談を受けることがあります。実は、はるか昔の一九二一年にブラジルで猫のフィラリア感染が報告されているのですが、診断法が非常に難しかったため、長らく猫にはフィラリアは感染しないか、感染するにしても稀な例であると考えられていたのです。ところが近年の診断技術の発達により、意外な事実が明らかになってきました。


平成9年、日本猫フィラリア予防研究会の調査結果によると、全国平均では12.1%になり、地方別にみると、最も多いのが九州で27.3%、次いで近畿の21.7%、東海20.2%、中国・四国の17.1%、北海道9.5%、関東6.7%の順で、フィラリア症に感染した履歴があると発表されました。しかし、同じような環境で生活しているのにもかかわらず、先月号で紹介した犬の感染状況と比べて、かなり少ない印象を受けます。これは、蚊からフィラリア幼虫が感染した場合、体内で成虫まで成長する割合が、犬では75%あるのに対し、猫は10%以下と低く、さらに犬では五年ほどのフィラリア成虫の寿命が、猫の場合は二年ほどであるためです。


ところで、猫のフィラリア症の症状ですが、全ては解明されてないのですが、犬の場合とは異なり、発症後急速に衰弱し、死亡に至る場合が多いとされています。逆の視点では、猫における原因不明の突然死の約一割はフィラリアが関連しているとの報告もあります。猫のフィラリア症は、感染リスクも考えようではそれほど高いものではなく、まだまだ社会的認知も少ない感染症です。しかし、その恐ろしさが明らかになるにつれ、近年では、予防法も開発されています。


具体的には、飲み薬、あるいはノミも防げる皮膚に滴下するタイプの薬が既に使用されています。猫においては、猫のエイズをはじめとした予防も治療も確立されていない病気がまだ多く、また、他の予防できる病気に関しても、認知度が極めて低いです。もしも、関心のある方がいましたら、一度近くの動物病院に相談されることをお勧めします。

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