インフォメーション

Column

院長コラム

今、元気なら大丈夫?

近年犬の寿命が長くなってきました。この要因として飼育形態の変化や食事内容の質の向上も指摘されていますが、何と言っても、そろそろシーズンになる「フィラリア症」の予防に対する意識が高くなったことが大きいといわれています。このフィラリア症に関しては、その恐ろしい症状や予防法が広く伝えられていますが、関心の低い飼い主さんにはピンとこないようです。その理由としては「うちの犬は元気だから大丈夫だろう」という憶測によるものがあるのではないでしょうか。


ある全国的な調査では、フィラリア予防をせずに、一夏を経過すると38%、二夏では29%、三夏で92%の犬がフィラリアに感染するとされています。実際に大掛かりな調査は行われていないのですが、このあたりの地域でも同様の傾向で、予防歴のない成犬で感染が無いことはむしろ稀です。また、フィラリア感染犬の全てがすぐに具合が悪くなるわけではないということも、この高い感染率を覆い隠しているのです。主に中年以降のフィラリア感染犬の40%に特有の咳が出るや、運動能力の低下、腹水がたまるといった症状がみられるという報告がありますが、逆の表現では、60%のフィラリア感染犬は無症状であることを示唆していることになります。どのような寄生虫や病原体でも、種を存続させるため、寄生・感染する相手をすぐに殺してしまうようなことはありません。


フィラリアの寿命は四~五年といわれており、これは犬の祖先である狼もしくは、野犬の寿命にほぼ一致するのです。比較的に例外な急性症もありますが、フィラリア症は、徐々に犬の身体を蝕んでいき、かつての生理寿命を超えたあたりから、急に症状を現す病気といえます。飼い犬が予防していない場合、今現在元気であっても、既に将来の病魔の元を持っている可能性は残念ながら非常に高いといわざるを得ません。


ただ、フィラリア症は、治療が非常に難しい病気ですが、初期感染段階であれば、対策も何種類か存在します。フィラリア症は、個人の動物病院でも、その場で感染の有無をすぐに確認できます。この恐ろしい病気の症状から愛犬を守るためにも、一度お近くの動物病院を訪ねてみてはいかがでしょうか。

Access

アクセス

みんなが幸せになる方法を一緒に考えていく動物病院

〒408-0033 山梨県北杜市長坂町白井沢2949-5

TEL.0551-32-3339


【診察時間】9:00〜12:00 / 16:00〜19:00 

【休診日】日曜・木曜・祝日・年末年始